- 奈月
あと一呼吸待ってみる
こんにちは、奈月です。

「待つ」ことは得意ですか?
私は結構苦手です。
お店の前やチケット売り場などの前に行列ができていると「やだなー」と思ってしまいます。
何かやっていても次のことを考えていたり、いつも「今日はあれやって何時頃にあそこへ行って、時間があったらこれもやって・・・」ということで頭がいっぱいです。
なるべくいろいろなことを効率よく片付けたいと思います。
そして、それが計画通りいかなかったり思いがけない時間変更や「待ち」が入ったりすると、嫌な気持ちになったりイライラしたりしてしまいがちです。
今の社会では、仕事や家庭など様々な場面で「時短、効率化」が求められることが多いですね。
早くて安くておいしい!とか、効率よく利益を出す!とか、スマホで予約・待ち時間なし!とか、待たないで早く何かを達成できることが評価されることが多いです。
もちろん、それも大切なことです。
効率的に利益や結果を出すことで、私たちの生活が恩恵を受けていることもたくさんあります。
でも、「待つ」ってそんなに悪いことなのでしょうか?
私はヨガスタジオのインストラクターとしてヨガを教えていますが、最近は「陰ヨガ」を教える機会が増えています。
ヨガスタジオなどで受けられるレッスンの多くは、筋肉を使って身体を動かしていく「陽」のヨガです。
陰ヨガとは、反対に重力に身を委ねて心身をゆるめていきます。
陽ヨガはいろいろなポーズをやることによって自分から積極的に動いていきますが、陰ヨガは一つのポーズを3~5分キープすることによって、身体がゆるむのを待ちます。
「待つ」時間がとても長いです。
陽ヨガをやってきた人が陰ヨガを初めて体験すると、キープしながら「まだかな?」といつ終わるのか気になったり、「他の人はどうしているのだろう?」を周りが気になったりするかもしれません。
私もそうでした。
待つのが苦手な私は、早く次のポーズに行きたいとかもっといろいろなポーズをやりたいとか思っていました。
でも、次第に待つことの大切さに気づきました。
呼吸と重力に身を委ねていると、自然と心も身体もリラックスしていきます。
余分な力は解け、頭の中にあったいろいろな考えの影が薄くなっていきます。
そして、そろそろ終わりたいと思ったところよりさらに数秒~数分待ってみると、普段の生活では感じられないほど心身が穏やかにくつろいでくるのです。
これは、「いつもより委ねて待つ」をやってみて初めて感じられたことでした。
そして、心身の緊張がゆったりとほどけた時、そこに存在するのが「自分そのもの」なのだと思います。
自分から積極的に動いてチャンスを掴みにいくことはとても素晴らしいです。
でも、それと同じくらい流れに委ねたり、時が来るのを待ったり、何かを辞めてみるのも大切なことですね。
あと一呼吸、待ってみませんか?
奈月